異世界続くよどこまでも

 ゲームクリアした後の世界、というのは誰しも幾度かは考える事だ。昨今のゲームではそうしたクリア後の世界を延々と遊ぶものもあるが、それとは別のお話。

 2つ目の町で案内役を買って出たあの村人は、魔王を倒した後の世界では何をしているのだろう。なぜか品揃えが増えていく武器屋は?勇者とヒロインは結婚して子供でも作るのだろうか?

 一つ言えることは、そこにプレイヤーの入る余地が無いということだ。データに無い会話はできない。データに無い森を探索することはできない。データに無い時間へ進むことはできない。そういったものは当たり前で、そこに一抹の寂しさを覚えるが、それもまた楽しみの一つというものだろう。

 そしてそれは、この世界でも同じだった。死後、この世界に自分が入る余地は無い。誰かの記憶、誰かの会話には登場するだろうが、それを聞くことはかなわない。そこに一抹の寂しさを覚える。年寄りが死ぬことを許容できるのは、それもまた楽しみの一つだからなのだろうか。